小説

♦ガクブ☆



「ねぇ、今度の土曜日さ」

「ごめん。土曜日は部活なんだ」

「あ、そっか」

彼女は一部の間では「ガクブ」と呼ばれる吹奏楽部に所属している。毎日、朝から晩まで練習をするというかなりハードな部活だ。しかし、彼女は文句も言いつつ、毎日音楽室に通っている。

「今月の休み、いつ?」

「今月は無いかな」

何年も吹奏楽部を続けていると、そんな言葉もさらっと言えるようになるらしい。

「ごめんね。もうミーティング始まっちゃうから」

そう言って教室を出ていく彼女。その背中を見送ることしかできない。

彼女はいつも楽しそうだ。音楽の話はアイドルとかよりも吹奏楽の話が好きだ。いつだったか、吹奏楽が好きな理由を聞いたことがあった。

「音楽と楽器が好きだからかな」

それだけだった。それだけで彼女は凄く幸せそうだった。それだけで幸せになれる彼女が好きだった。

彼女のようにそれだけ夢中になれるものは知らないけど、いつかそれだけ夢中になれるものを見つけたいと思った。

彼女の背中に「ガンバレ」と呟いて教室を出た。

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