小説

♦センセー☆

センセーはどこかの学校のセンセーとか、塾のセンセーとかじゃない。フツーの大学生だ。近所の公園で友達とエンゲキの練習をしてる。
と、言ってもセンセーは役をやるわけではなくて役をやる人と相談していることが多い。センセーは自分はキャクホンカだと言った。
「君もやるか?」

首をブンブンと横に振るとセンセーは笑った。

「エンゲキ好きか?」

イエスともノーとも言えないあいまいな返事をするとまたセンセーは笑った。

「エンゲキ知りたいか?」

小さく首を縦に動かすとセンセーはカタカナのタイトルの本を貸してくれた。

「君には難しいかもな」

センセーはそう言って笑った。

「今度、一緒に見に行こうな」

縦に首を振るとセンセーは恥ずかしそうに笑った。
いつの間にかセンセーの笑顔を見ると胸がドキドキするようになっていた。

「今の、一応デートの誘いだったんだけど」

デートなんて聞き慣れない言葉にびっくりしたけどセンセーは笑っていた。

「またね」

センセーの後ろ姿を見送ってデートの意味を考えていたら急に恥ずかしくなった。
この気持ちはもしかしたらコイとかスキとか言うのかもしれない。そう思った時にはセンセーはいなかった。
違う日。

「今度の日曜日空けておいて」

?マークが何個か頭の上に浮かんだ。センセーは紙切れを振って見せた。

「舞台、見に行こ」

首を大きく縦に振るとセンセーは笑った。

「じゃ、日曜日」

日曜日はそれからセンセーに会う日になった。コイビトとかいう関係じゃなくてセンセーはセンセーのままで。日曜日のセンセーはよく笑っていた。

センセーはセンセーで。

センセーの笑顔はいつでもセンセーの笑顔だった。

End

[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ