センセーはどこかの学校のセンセーとか、塾のセンセーとかじゃない。フツーの大学生だ。近所の公園で友達とエンゲキの練習をしてる。 と、言ってもセンセーは役をやるわけではなくて役をやる人と相談していることが多い。センセーは自分はキャクホンカだと言った。 「君もやるか?」 首をブンブンと横に振るとセンセーは笑った。 「エンゲキ好きか?」 イエスともノーとも言えないあいまいな返事をするとまたセンセーは笑った。 「エンゲキ知りたいか?」 小さく首を縦に動かすとセンセーはカタカナのタイトルの本を貸してくれた。 「君には難しいかもな」 センセーはそう言って笑った。 「今度、一緒に見に行こうな」 縦に首を振るとセンセーは恥ずかしそうに笑った。 いつの間にかセンセーの笑顔を見ると胸がドキドキするようになっていた。 「今の、一応デートの誘いだったんだけど」 デートなんて聞き慣れない言葉にびっくりしたけどセンセーは笑っていた。 「またね」 センセーの後ろ姿を見送ってデートの意味を考えていたら急に恥ずかしくなった。 この気持ちはもしかしたらコイとかスキとか言うのかもしれない。そう思った時にはセンセーはいなかった。 違う日。 「今度の日曜日空けておいて」 ?マークが何個か頭の上に浮かんだ。センセーは紙切れを振って見せた。 「舞台、見に行こ」 首を大きく縦に振るとセンセーは笑った。 「じゃ、日曜日」 日曜日はそれからセンセーに会う日になった。コイビトとかいう関係じゃなくてセンセーはセンセーのままで。日曜日のセンセーはよく笑っていた。 センセーはセンセーで。 センセーの笑顔はいつでもセンセーの笑顔だった。 End [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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