親の反対を押し切って、美術大学に入学した。元々絵を描くのは好きだし、自分で言うのもあれだけれどそんなに下手じゃなかった。中学、高校の時にいくつか賞をもらったこともある。絵を描くだけでご飯を食べていけるなんて甘い考えはしていないけれど、私は絵で自分を試してみたかった。 私は恋愛経験がほとんどない。高校の時に付き合った人はいたけれど、すれ違いが続いてすぐに別れてしまった。片思いの経験もないし、大学に入ってからいい恋をしようとかあまり思っていなかった。だから大学生活で初めて男子に話しかけられた時も、特に相手を気にはしていなかった。 「ここ座っていい?」 「はい」 私の向かい側に座った、グレーのTシャツにジーンズというラフな格好をした彼はスケッチブックをもっていた。 「どこの学部?」 「デザイン科です」 「じゃあ俺と一緒だ。何年?」 「1年です」 「俺も1年」 彼はそう言って私に笑いかけた。去年まで高校生だったとは見えない雰囲気があった。 「俺は間宮公平。よろしく」 「竹崎蒼生です」 公平との出会いは、私にとって新しいことの連続だった。 つづく・・・ [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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