小説

♦オールデイズ <2>☆

校内出会うたび彼は声をかけてくれて、私たちが仲良くなるのに時間はかからなかった。公平は顔が広く、彼の友人や先輩たちとよく遊びに出かけていた。
「お、誠じゃん」
当たり前のようになった公平と二人での昼食中、公平は通りかかった男性に声をかけた。カフェテリアの席がほとんど埋まっていたこともあり、彼は公平の隣に座った。
「あおい、さっき話してた吉村誠。建築デザイン科だよ」
「はじめまして。公平の彼女さん?」
「違うよ。あおいは同じ科の友達」
「なんだ、彼女だと思ったのに」
誠は柔らかく笑いながら、自分のコーヒーカップを手にとった。頭の良さそうな彼は、いつものように寝癖のついた公平と楽しそうに笑っていた。
「今度、3人で遊びに行こうよ」
「いいね。どこ行く?」
「今、中央美術館で面白そうな展示会やってるよ」
「また美術館かよ。ほかに行きたいとこないの?」
「法隆寺とか?あと最近できた水族館も行ってみたい」
「あ、私も水族館行きたい」
「じゃあ決定。いつにする?」
 誠とはこの日が初対面だったけれど、ずっと前から仲が良かったかのように自然と話ができた。

つづく・・・

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