小説

♦オールデイズ <4>☆


次の場所はクラゲのコーナーだった。薄暗い部屋の壁に丸い水槽が埋め込まれていて、そのなかにクラゲがいる。 私は二人よりも遅いペースで水槽を見て回る。小さなクラゲの泳ぐ水槽に見とれていると、隣に公平が並んだ。

「あおい」

「なに?」

「また、どこか行こうな」

「うん」

水槽を向いたまま公平はそっと私の手を握った。私は何も言わずに左手に公平の温かさを感じていた。

「公平」

「なに?」

誠に呼ばれた公平は手を離して声の方に向かった。

「蒼生もおいでよ。」

誠に手招きされて、私もそっちに向かった。
この日は1日中水族館の中にいた。日が暮れ始めた頃に水族館を出て、三人でご飯を食べてそれぞれの家に帰った。

つづく

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