二人と出会って一年が過ぎ、私は公平と付き合っていた。遊びに行く時は変わらず誠も一緒で、付き合う前と変わったことは少なかった。 「二人で行けばいいじゃん」 「なんで?」 「せっかく二人付き合ってるのに、俺が行ったらなんか申し訳ないだろ」 「そんなことないって。俺もあおいもそんなこと思ってないから」 三人でご飯を食べながら誠は複雑そうな表情を浮かべる。誠が見たいと行っていた映画を見に行こうと言う話なのに、彼はなかなか首を縦に振らなかった。私と公平の二人がかりでなんとか説得して、土曜日に行くことが決まった。 「あおい」 私と公平が二人だけで会うのは、一日の講義が終わった帰り道だった。ほとんど毎日いろんなことを、私が乗るバスが来るまで話した。 「あおい?」 「なに?」 「卒業しても、こうやって一緒にいれたらいいね」 「どうしたの急に」 「いや、何でもない」 私の乗るバスが来て、公平は繋いでいた手を離した。 「また明日な」 「うん。またね」 「好きだよ」 「ありがとう。私も好きだよ」 バスが動きだしても、公平はその場で見送ってくれた。目が合うと、手を振ってくれた彼を見て、ずっと一緒にいたいと思った。 つづく [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |