小説

♦「劇団谷原」 1.配役☆

 稽古場に集まるメンバー。集合時間が過ぎたが、弥生が来ない。



谷原「弥生は?」


ハル「あ、今回の配役が気に入らないから来ないって言ってました」


谷原「またか・・・ハル、弥生に電話してみてくれ」


ハル「嫌ですよ。自分でしてください」


谷原「えぇー」


ハル「えぇーじゃないですよ」


蒼海「あ、電話しました。これから来るそうです」


谷原「お、そうかそうか蒼海ありがとう」


蒼海「いえ」


数十分後、弥生が来る。



谷原「おい、」


弥生「俺ここ辞めます」


谷原「まだ何も言ってないじゃないか。どうしたんだ?」


弥生「配役が気に入らないんです」


谷原「なぜ?いい役じゃないか」


弥生「どこがですか。とにかく、俺はやりません」


谷原「なんでさ。君にしかできないよ?ハルの彼女役」


弥生「女役じゃないですか」


谷原「そうだよ」


弥生「そうだよって・・・」


谷原「君が戻ってこないとハルが悲しむぞ」


ハル「いや、俺なんにも言ってないですけど」


谷原「ハルもこう言ってることだし、戻ってきなさい」


弥生「いや、訳わからないです」


ハル「じゃあ俺やるよ」


谷原「じゃあ俺がやる」


蒼海「いや俺がやる」


ハ・谷「どうぞどうぞ」


弥生「・・・」


谷原「どうだ。戻ってくる気になったか」


弥生「いや、なってないです」


ハル「そっか。残念だな」


谷原「じゃあもういいよっ」


弥生「そうですか。それじゃあ、今までありがとうございました」


谷原「待って待って」


弥生「まだ何か?」


谷原「ちょっと待って。何言うか忘れた」


ハル「おい」


谷原「じゃあ、公演中に肉まん毎日おごるから、それで手を打たない?」


ハル「そんな、肉まんなんて二百円もしないじゃないですか。谷原さんは小さい男ですね。
な、弥生?」


弥生「その話、本当ですか」


ハル「え?」


谷原「本当だとも。ピザまんでもいいぞ」


弥生「約束ですよ」


谷原「おう」


ハル「嘘だろ」



数週間後、「劇団谷原」の公演は大成功で幕を閉じた。


END

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