よる、 たくやくんはおとうさんのひざのうえにすわりました。 「おとうさん、 つきのひとってしってる?」 おとうさんはたくやくんをみて、くびをかしげます。 「つきのひとってだれだい?」 「あのね、 ちきゅうにすんでいるひとのなかに、つきにいけるかぎをもっているひとがて、 よるになると、ほしがつきのひとをむかえにきて、ほしにのってつきにいくんだ。」 「つきのひとは、 そこでなにをするんだい?」 「つきのひとたちは、 つきでともだちとあそんだり、うたったりするんだよ。」 「たのしそうだね。」 「うん。でもね・・・」 たくやくんは、すこし、 かなしそうなかおをしました。 「ちきゅうがあさになっちゃうと、みんなちきゅうにかえらなきゃいけなくて、 つきのともだちとさよならしなきゃいけないんだ。 みんなさよならするのがかなしくてないちゃうから、ちきゅうにはあめがふるんだ。」 「そうなの?」 たくやくんは、おおきくうなずきます。 「じゃあはれのひは?」 「はれのひは、 だれもつきにいってないから、かなしくてかくことがないんだよ。」 「つきのともだちにあえるひってすくないんだね。」 「だから、みんなかなしいんだよ。」 「たくやくんは、つきのひとなの?」 「そうだよ」 「ちきゅうにかえりたくなくなることはないの?」 「ないよ。」 「どうして?」 たくやくんは、きゅうにおとうさんをおなかをだきしめました。 そしてちいさなこえで「おとうさんにあえないのは、もっとさみしいから」とこたえました。 おとうさんは、なにもいわずにたくやくんをだきしめました。 まどのそとには、まあるいつきが、ふたりをみていました。 おわり [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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