小説 2

幼馴染み

  

答えの出てる悩みを、いつまで悩んでるんだよ。
くだらねー。
俺に言うなよ。俺は何もしてやれないんだから。

「好きにすればいいじゃん」

言ってやらないけど、向いてると思うよ。根拠ないけど。
そんなこと言えば、絶対「違う」っていうだろ。
悩んでないで前に進めよ。悩みすぎなんだよお前は。

「もう少し何かないの?」

「ない」

進みたい道が見えてるんだから、俺が言うことなんかない。
不満な顔すんなよ。
苦手なんだよ。相談乗るの。
でも、すこしすっきりしたんじゃないの。
どうせ、誰にも言えてなかったんだろ?
力抜けて見えるし。

「やってみようかな」

俺が言わなくてもわかってるんじゃん。
気付いてよかったな。
そう思ったらつい笑ってしまった。

「なに?」

「駄目だったら戻ってくればいいよ。俺はここにいるから」

完全に気が緩んで泣きだしたお前に、何してやったらいいかわかんなくて、髪をくしゃくしゃになでた。
笑いながら泣くなよ。
でもすっきりしてよかったな。
旅立つお前の見送りにはいかなかった。
良くても悪くても、どうせお前は戻ってくるだろ?
てか戻ってこいよ。
時々ストレス発散しないとダメになるから、お前は。
発散させられるのは、俺だから。
不器用だけどさ。
ちょっとは力になりたいんだよ。
言ってやんないけど。お前には。

さて。
俺も前に進まないとな。



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