ベットの上で仰向けになっていると、昨日の夜に聴いていた洋楽の歌詞が頭の中によぎった。 もし、あなたの恋人から別れの手紙が届いたなら・・・ 滅多に体調を崩すことなんかないから、いやな考えが頭に浮かぶ。忙しいことを言い訳にして彼女に会わなくなって、もう数日が経つ。 しばらく会えない、とメールを送ってから彼女からの連絡はない。ベットから少し離れたところに置かれた携帯電話は、いつものように静かに充電器につながれていた。 ガチャリ 玄関のドアが開く音がして、聞き覚えのある足音が部屋の住人を探していた。寝室のドアが開き、薄暗く、ぼんやりとした意識のなかに彼女が映った。 「大丈夫・・・じゃなさそうだね」 「なんで?」 彼女はベットに腰掛け、はだけていた毛布を掛け直してくれた。そっと額に冷たい彼女の手が触れて、それが少し気持ちよかった。 「昨日ね、たまたま洋楽を聴いてて、その歌詞のことを考えていたら会いたくなったの。どうしてるかなと思って」 「どんな曲?」 彼女が控えめの声で歌い始めた曲に、思わず笑みがこぼれた。そういえば、この曲を教えてくれたのは彼女だった。 If your sweetheart send a letter of goodbye 静かで綺麗なメロディーは、素直に心のなかに入ってきて、気付けば夢のなかにいた。 それは悪い夢なんかではなく、二人の小さな幸せを描いたような、静かな夢だった。 もしあなたが辛いなら、ずっとあなたのそばにいるから・・・ 静かなメロディーはどこまでも続いていた。 End [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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